葬儀について/弔いについて  2022/9/5~2022/10/23

ほさきから、404 not foundへ

2022/09/05(月)

7月の日記を読みかえしながら、当時からいろいろな物の値上がりはあったものの、まだ今よりは切実でなかったな……としみじみしています。旅先で死亡ニュースを聞いた元首相は、今月27日に法的根拠のない国葬が行われることになりました。火曜日ということもあり、さすがに今回はどこかに遠出して各種ニュースやSNSを遮断することも難しそうです。

404さんの書かれていた「良くなる」という話、昔書いた自分の文章を思い出しました。この文章を書いたのは6年前ですが、ここに書いてあることを当時の自分がすぐに実行できたわけではなかった、と改めて思います。「良くなる」って、誰にとっての「良くなる」なのでしょうね。8月末から復職したのですが良くも悪くも、自分のなかの何かは損なわれたのかもしれない、と思ったりします。

そんなわけで淡々と過ごしています。そういえばコロナですが、親戚2名が陽性になりました。いずれも軽症だったのでほっとしましたが、わたしの買っていたパルスオキシメーターや抗原検査キット、ネットで調べた検査に関する各種情報が大活躍していました。

2022/09/07(水)

台風の影響もあってか、湿気で身体がべたべたする感じがなかなか収まりません。北でも南でも、ずっと雨が降り続いている気がします。

もともと涼しくなると体を動かしがちになるのですが、先月末からhabiticaという、日課をこなすとアバターが成長するというアプリを入れて夜のストレッチを続けています。ピクミンといい、自分は報酬があるとわかりやすく動くようです。とはいえおかげでそろそろ一か月半、ちょっと効果が出てきた!……気がします。たぶん。

うさぎに続き、すあまも秋の服に着替えました。トラッドスタイルです。

2022/09/09(金)

英国女王が亡くなりました。
朝一でのぞいたタイムラインの、BBCによるツイートに驚きつつもしみじみしていたのですが、気が付いたら本物の国葬、という妙な言葉がハッシュタグになって出回っていて、うむむむ、となりました。

その後、イギリスはポップカルチャーの国として在ろうとしていていて、だから女王も受け入れられていたのではというtweetを見てちょっと納得しました。パディントンやボンドと共演したり、女王はイギリスの「コンテンツ」の一部として率先して機能しようとしていた。そういえば日本の皇室(宮内庁)も今度からSNSを運用するというニュースを見た気がします。

とはいえアフリカをはじめとする過去の植民地やアイルランドからはここぞとばかりにイギリス帝国の批判がされていて、こういうのが見れるのはSNSのいいところだな、と思います。似たようなことがわたしの住む国で起きた時、こうした批判は国内でどのように受け入れられるだろう、とも。

パディントンとティータイムを過ごす女王の動画、かわいくて好きでした。

2022/09/17(土)~19(月)

連休中はライブに行ってきました。去年はまだ「なんだなんだ、ここはどこだ」という顔をしていたうさぎ達も今はすっかり慣れたようで「ふふん、ライブですね? わかってますよ」という顔をしています。
ちなみに音楽の趣味は3匹ともばらばらのようです。いちばんロック、というかやかましい音楽が好きなのは小さいうさぎのようです。

ツアーグッズのカステラ。

ライブだと曲と曲の間にちょっとしたおしゃべりがあるわけですが、17日に行った谷山浩子さんのライブで、同じシンガーソングライターでも扱う楽器(ピアノか、ギターか)で曲のコード進行が変わるという話が出てきてへえ、と思いました。どうも世の中には音楽をコードで把握するひとがいるらしいぞ、というのはここ最近になって知ったことです。

わたしにとって音楽というのは五線譜の楽譜に書かれたことを間違えないように再現すること(だから音を間違えるのはとんでもないこと)、で、コードなんてろくに意識したこともなかったので不思議な感じです。例えていうなら、同じ赤いリンゴを見てもその赤さは人によって見え方が異なるのですよ、ということは一応知っていたけれど、そもそも生き物によって見える光の波長自体がぜんぜん違うんですよ、と言われてええ?とびっくりするような。

そう考えると楽譜もコードもわからないけれど曲を作る、降ってくるというタイプのシンガーソングライターさんて結構、いやかなりすごいな……? と今更ながらに思うのですが。そういう「捉え方」がばらばらの人たちがたくさんいてそれぞれに好きな音楽をやってるってすごいし不思議だな、と思うし、それに比べると定型詩って実はずいぶん狭い、というかハードルの高い話なのでは、とも思います。

歌詞なんて重要じゃないよ 音楽のほうが文芸より優れた芸術なんだから!     (『ほしとんで』4巻本田)

2022/09/21(水)~22(木)

国葬に抗議するため、焼身自殺を図ろうとした男性がいたようです。こんなの自爆テロじゃないか、こんなやつを助けるのに税金をかけるのかといった冷笑的なコメントをタイムラインでよく見かけて怖くなりました。やまゆり園の事件からもっと酷くなっているような気がする。
ロシアでは部分動員令が出されロシア国内ではデモ、ロシア国外への航空券はどこも完売、高騰しているようです。

今週末の連休もまた台風が来るようです。うさぎ達がお友達とのお茶会を楽しみにしているので、あまり酷い雨にならないといいのですが。


404 not foundから、ほさきさんへ

2022/09/24(土)

羊の会、楽しかったですね(最近みんなで集まる機会のことを、勝手に羊の会と呼んでいます)。一笹焼売にみんなで行けてうれしかったです。今回わたしは羊肉麺を食べましたが、次は焼売に挑戦したいところです。最近中華圏の麺というと米麺ばかり食べていたので勝手に米麺を想像していましたが、出てきたのは小麦で作られた麺で、そうだ、内モンゴルは北の方だった、と思いました。

羊肉面!很好吃

2019年の終わりに西安に行ったときも、食べたものは小麦が中心で、お米を食べる機会はほとんどありませんでした。一緒に行った友人に、米はもっと南の方かも、と教えてもらい、当たり前ですが土地や気候によって収穫物が違うことを、普段いかに意識せずにいるか、恥ずかしく思ったのでした。


2022/09/26(月)

秋晴れの、気持ちの良い日でした。お昼休みに近くの繁華街まで歩いて出かけました。あまり時間がなかったので小走りに行ったら、すっかり汗だくになってしまいました。中国語学習用のノートがもう少しで終わるので、新しいものを買いに行ったのでした。ノートが終わる瞬間も、新しいノートを選ぶ瞬間も、使い始める瞬間も、どれもいつになってもうれしいものですね。

明日は国葬とのことですが、なんとも空虚だなと思います。一体何のための、と問うてしまいます。弔う気持ちを示すのであれば別に国葬でなくてもいいのではないかと思いますが、思惑が入り乱れ、何の正当性もなく、丁寧に説明するという文言だけが流され……誰しもがやらないほうがいいと思い、その意思を示しているというのに、もう決まったことだからやってしまう、というようなことに今の日本の全て詰まっているように思います。

つい先日、親戚が突然亡くなり、お通夜という名のお別れ会に行ってきました。お坊さんは呼ばず、身近な人たちだけでひっそりと故人を囲み、ぽつぽつおしゃべりをするような、そういう会でした。人それぞれ考えはあると思いますが、弔う気持ちと、儀式というものは必ずしも紐づいていないのではないかと個人的には思っています。

2022/10/23(日)

仕事に忙殺されているうちに一ヶ月が経とうとしています。最近この日記で、毎回わたしは「一体何をしていたのか……」と呟いていますね…本当に何をしていたんだろう。

昨日は友人のフラメンコの発表会を見に行ってきました。身体を使う表現に触れるとき、いつも静かな感動があります。ダンスや演劇や、歌もそういうものの一つですね。わたしも何か体を動かすことをできないだろうかと、太極拳の教室を探しはじめました。なんで太極拳?と思いますが、ダンスはあんまりできそうにないし、ゆったりした動きなら挑戦もしやすいかな、という安易な理由です。

中国語を勉強していると、動詞に注目することが多く、今日ふと、そうかわたしは自らを移動させたり、動かすことよりも、世界の方を移動させるようなものの見方をしてきたかもしれないと思いました。つまり詩を書いたりするときも、自らが動くわけではなく、外から飛び込んでくる何か、外に存在する何かの動きや存在そのものに頼って何かしらを語ろうとしていたということです。

それは他者に、自らの方への越境を求めることのように思い、少しそうじゃないものの見方を得たくなってきました。そのためにはわたし自身が別の場所へ越境しなければならないのだと思います。どうやったらそれができるのかわからないですが、身体を使うことも、その一つになるのかもしれません。以前、友人が自らの書くものを変えるためにダンスを始めたと言っていたことを思いだしました。

今年はこれまでの棚卸をし続けた一年だったかもしれません。過去について、整理がついて、少しの諦めもうまれてきて、来年はまた違う方向へ進んでいけるような気分です。

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