2021/9/27 - 10/8 言葉にならない想いのこと / 炎があれば炎に見入る
404 not foundから、ほさきさんへ
2021/10/1(金)
『陳情令』がついにAmazonプライムで配信になりました。yenさんも書いていた『魔道祖師』を原作とした中華ドラマです。
最初、ドラマを見ていても、設定の複雑さになかなかついていけず、人物の名前もおぼえられないし(姓名と字と号があるんですよ!)で大変だなあ、などと思っていたのですが、設定の全体像をつかむためにアニメを見、その後、アニメでは未だ結末まで描かれていないことを知り、続きが気になって小説4冊を買って読み……そうこうするうちにドラマ版を見終わって、ここからが本番とばかりに2周目です。最近は朝ごはんをたべながら1話を見て、それから仕事をして、昼ご飯を食べながらさらに1話を見て、と『陳情令』の2周目を味わいまくっています。
自分ではそんなにはまっているといる感覚はなく、わからないことが多いから気になってみてしまう、というかんじだったのですが、家のひとたちには「いやもう小説買った時点で腰までいってて、二周目はもう頭までどっぷりでしょ」と言われました。おかしいな。
驚いたのは、二周目に入ってから、「短歌作りたいな」という気持ちになっていることです。あんなに「もう短歌は作らないかもしれない……」とか言っていたのに!! もうまったく自分のことが信用できない。「ここ!!ここです!!」みたいな熱を掬い上げるのに定型といううつわは随分と助けになってくれると思っています。
そうしてAmazonプライムに入ったので寝る前にもスマホでもぼちぼち見てしまっています。一体どれだけ見るんだ?? 自分でもわかりません!
2021/10/2(土)
昨日は23時過ぎまで仕事が終わらず、その疲れを引きずっていたのか、すっきりとは起きられませんでした。朝、洗濯機をまわしたあと、ふたたびベッドの上でごろごろして、昼過ぎから通販の発送作業をしました。
『共有結晶』の通販について、思っていたよりもずっと多くのひとが申し込んでくださり、大変ありがたく思っています。BL短歌のアカウントからアナウンスしたあとで、一応自分の言葉でもしゃべっておこうと思い、個人のアカウントで少しばかり口を開いてみましたが、そんなに言葉は出てきませんでした。感じてきたことはもう本のなかに書いてあるので、これ以上は蛇足だなと思います。
節目について、わたしはきっと10月末に通販を締め切って、執筆者の方にいくつかの在庫を送り、残りをぼちぼち片付けたあとに感じるのではないかなと思っています。そういう予感を持ちながら通販作業をしています。これまで、どうしても在庫の入った段ボールが生活空間の中にあったためか、4号を出したあとも全部終わったという感じはなく、今回の通販終了の判断は、自分自身が何かしらから降りたいという気持ちがあったのではないか、と今となっては思います。
梱包した本の束を抱えて、クロネコヤマトの営業所まで歩いていく道すがら、「わたしはあなたの敵ではないですよ」という言葉を思い出していました。わたしも別に誰のことも敵だと思っていたわけではなかった。時間が経つほどに、ただ居場所を見つけたかっただけだな、と思います。「BL短歌ってなんなんですか?」という問いかけとともに論破を目的として話しかけてくる人の相手を繰り返しする苦しさを感じながら、場に存在しつづけることはむつかしい、と思いますが、そういったたぐいのことに関してももう遠いはなしです。
2021/10/4(月)~5(火)
昨日は通販対応を終えたあとは、短歌を作ったり感想書いたり、絵を描いたりしてめいっぱい遊んだら、すごくよく眠れました。つかれたんでしょうね。
ニュースは岸田新内閣の話題でもちきりで、会見の映像もちょこっと見たりしましたが、ほぼほぼ選挙演説のようであり、これは野党にはかなり不利な状況になってきたなあと思っていました。新しい人に代わると、なにかうまくいくような雰囲気を出してきますが、このあたりが本当に「政治」という感じがして、いやだなあと思ってしまいます。一市民としてはまずは政策を見て、選挙に行くことが大事だな、とは思ってはいますが…。
そういえば今日(5日)は、『陳情令』で魏無羨(ウェイ・ウーシエン)役をやった肖戦(シャオ・ジャン)氏の誕生日でした。公式に出されたメッセージがあまりに……あまりに正しく、あまりに美しかったので、少しめまいがしました。中国芸能界では俳優やアイドルが「ファンをよりよく導く必要がある」という価値観があるようで、出されるメッセージにある種の潔癖さを感じ(翻訳の問題かもしれないですが…)、彼にも安心して安らげる場所はあるのかなあ、などと考えてしまいました。肖戦氏のある種のナイーブさというか、妖精ぽいというか、やわらかな雰囲気をすてきだなと思ってはいますが、ファンの願望を引き受けすぎないで、ただただ楽しく仕事をしてもらえたらいいな、とも思います。
バナナマフィン |
ほさきから、404 not foundへ
2021/10/5(火)
映画『トーベ』を観てきました。映画館には先月も行っているのにそことは別の映画館だったせいか、久しぶりという感覚が強かったです。昨年からトーベ・ヤンソンの著作(主にムーミンシリーズ)をちまちまと読んでいるのですが、長い冬の描写がいつも印象的な気がしていて、それを別の形で見せられたような気がしました。華やかでゴージャスな画面というわけではなく、トーベの内面描写は殆どなかったような気がするのですが、なぜだかじっと見入ってしまうような映画でした。炎があるといつのまにか炎に見入っているような。
ムーミン達が立ち向かう長い冬は、今読むとコロナ下の今のことを書いているようだなと思います。
パリから帰ってきた恋人のためのパーティーで、トーベがアコーディオン(バンドネオン?)をつま弾いていたのにびっくりしました。『SING SING SING』など、要所要所でジャズが響き、強いお酒と煙草、そして踊りが現れる映画でした。
渋谷bunkamuraのドゥマゴ・パリはコロナの頃からパリの店舗同様、くまのぬいぐるみ達を座らせていたのですが、今日行った時には小さなくまが仲間入りしていました。