2021/7/31 - 8/13 ワクチンに辿り着くには / 個人の問題ではない

404 not foundから、ほさきさんへ

2021/7/31(土)

yenさん、おかえりなさい。
北海道の酷暑のニュースも、ここ数年見かけることが多くなったように感じます。やっぱり気候変動の影響があるんでしょうか。

今日は、鹿児島の物産展を駆け足で覗いてきました。都内の感染がデルタ株に置き換わっていっているとニュースを見たばかりなので、やっぱりちょっと人混みにでかけるのは怖く感じてしまいました。こればかりはどうしようもないですね。
薩摩蒸氣屋のかすたどんと、明石屋のかるかん饅頭(フォロワーさんにお勧めいただいたのです)、あとはお茶をいくつか買いました。
子どもの頃は夏休みになると母と一緒に鹿児島の祖父母の家へと行きました。外で遊んでいるとき、桜島が噴火して灰が降ってくることがしばしばあり、雨交じりだったりすると余計に真っ黒になって、家に戻ったとたんお風呂場へ直行だったことを思い出します。

さて、話は大きく変わりますが、わたしはわりかしスポーツ観戦が好きなほうで、見始めたらどれも楽しく見てしまいます。なのでオリンピックの開催を反対しながら、あるいはコロナ対策の不備を批判しながらも、テレビでやっていたら見てしまうひとの気持ちもわかる気もするのです。

ただ、yenさんの言うように、個人として楽しんでしまうことでしてしまう加担がどうしてもあるように感じて、できるだけ目に入れないように努めています。自分としては選手の応援と、政治対応の批判をそんなにきっぱり分けられるとは思えないのです。オリンピック自体がとても政治的なものだと今回はじめて知った部分もありますし、「見る」行為によってあらわれた数字が、政治のなかでどれだけ都合よく解釈されるだろうかと思うと、やっぱりこわいのです。

言語による発信に限らず、テレビの視聴率や、検索キーワードのボリュームや、何がしかの売り上げ等、オリンピックの期間の現象は多くの企業や場所で計測されているでしょう。そうして記録された数値は未来に対して多大なる影響を発揮する気がします。とはいえ、これだけデジタル化が進むと個人の行動が記録・計測されないでいることはとてもむつかしいのですが……記録されてはならない、という話ではなく(現状ではとてもむつかしい気がするのです)、自分自身の行動が未来に影響を与えていることを引き受けていくしかないのかな、と考えています。

2021/8/1(日)

待ってるとまじめにいつまでもワクチンがこない気がする、と家の人からアドバイスされ、朝から電話をかけていました、が日曜日だったことを忘れていました。一回休み。

この日記を書きつつ、『The Good Doctor』を流していました。
自閉症かつサヴァン症候群の主人公が医師として外科病棟で働く話です。わたしが見ていたのはアメリカで放映されたものですが、もともとは韓国のドラマだそうです。海外のドラマを見ていると、いつも複雑な人間関係、群像劇を描くのが上手だと感じます。それぞれの人物の描かれ方も複雑で、まさに生きてそこにいるような気がします。そういったものをわたしが好んで見ているだけかもしれないですが……脚本作りやキャラクター作りの蓄積、メソッドなどがあるのかなあ。

2021/8/2(月)

ワクチンナビで検索をかけて朝から電話をかけていましたが、つながらず、それだけで苦しいような気持ちになっていました。確かに予約を受け付けているマークは表示されていますが、小さなクリニックに繰り返しかけるのも、なかなかその先にいる働いているひとたちのことを思うとしんどいものがあります。8月になったらかけてください、と書いてある病院もあったので、きっと今日は大忙しだったのではないでしょうか。

お昼頃に自治体のホームページでワクチン予約の再開がアナウンスされていました。本格的な再開は中旬からになりそうなので、先日仮で申し込んだ予約がそのまま日程確定のお知らせとなってくれたらよいのですが。ここ1週間くらいで、一気に怖い気持ちが増えてしまって大変です。ひーんこわいよー。

yenさんはワクチン1回目接種できたようで、何よりです。2回目も無事に済みますように!
周りのひとはやっぱり2回目の接種のあと副反応が出ているひとが多く……接種の翌日だけといわず、できるのであれば2~3日は休んだほうがよいよ、とも言われました。もうそういうものだと思うほかない、ということもわかりつつ、そんな高い熱がでるかもしれないの!?と思うとそれまた怖いですよね……。なかなかこの怖さを共有する機会もないまま、かといって接種しないのも怖い状態で、引き裂かれがちです。

2021/8/5(木)

家の人から大学関連のワクチン接種の枠が追加されるよ、と教えてもらいました。
いまわたしが所属している大学でも対象になるとのことで(通信制の一種なので、対象になるとは思っていなかったのです)、追加される枠で予約にチャレンジしたところ、無事に押さえることができました。ここ数日不安が募るばかりだったので、とにかくほっとしています。

それにしたって、念入りにリサーチし続けなければワクチンに辿り着けないこの状態と、何かしら大きな組織や枠組みに所属していないと辿り着くことが困難な状況に頭を抱えてしまいます。自分が思っているよりも、団体や組織に所属することが効果を発揮する社会なのですね……。

今週はほぼ本を読めませんでした。もうすぐすると夏休みなので、そこでは1冊くらいはじっくり本を読みたいものです。


ほさきから、404 not foundへ

2021/8/8(日)

北海道旅行のあいだ水に漬けていた鉢の植木はくったり萎れてしまいました。枯れてしまったのはクリスマスローズ、枯れてはいないけれど一番弱っていたのは大鉢のピンクのバラで、葉がすべて黄色く枯れて落ちてしまいました。これはいけないと先週末、メネデールという栄養剤(ドラえもんの秘密道具みたいなネーミングです)を与えたところ、小さな芽がぽつぽつと出てきました。

404さんもワクチン予約できたとのこと、本当によかったです! とはいえ404さんが書かれていた、何かしら大きな組織や枠組みに所属していないとワクチンに辿り着くことが難しいというのはその通りだとわたしも思います。体調不良時に誰かに頼れるかというのが今、誰にとってもリアルかつシビアな問いになっている気がしますが、これもまた何か家族的な組織、枠組みに所属していなければ難しい気がするのです(しかしそれら組織・枠組みは体調不良時に誰かに頼られるかもしれないという懸念、枠組みの外に助けを求められないという構造と裏腹のものでもあります)。

そういえば今日はオリンピック閉会式らしいですよ、と。
携帯買替えの待ち時間、店員さんとの会話でふと思いだして言うと、それは貴重な情報を教えてもらいましたと、全然そんなこと思ってなさそうな顔で言うので笑ってしまいました。かくいうわたしもお店に向かう道すがら、信号待ちの人ごみの中で偶然聞いて知ったのですが。


2021/8/9(月)

連休三日目の午後は闇の会合こと、zoomおしゃべり会でした。オリンピックやワクチンや、つまりは最近の政治についてあれこれ語りつつ、『魔道祖師』が凄いという話をしたりしていました。年単位でお話していない人とも久しぶりにお話しできた気がします……というか、404さんの声を聴いたのも結構久しぶりでしたね。
最近のちやほや(自分がご機嫌になれるもの、的な概念)を最初に報告することにしていたのですが、ベランダの花火やNHKの朝ドラ、『ワッフルとモチ』をおすすめしたわたし含め、なかなか即答が難しい状況だなと改めて思いました。何をしても頭の隅にコロナの話が常にある、という状況が去年からずっと続いています。

SNSでそれぞれが発したテキストは沢山見ていて、だから互いの状況はそれなりに知っていると思っていたのに、実際に誰かの声を聴いてそれに応える、という行為はテキストを読むのとは大違いだなと、今更のように思います。そうしてやりとりを終えて通信を切ると部屋の中はすぐさましんとして、それは例えば駅でそれぞれ分かれて、やり取りの余韻を抱きながら雑踏の中へ紛れていくのとは全く違うのでした。

ちなみに我が家のうさぎはzoom越しに皆にちやほやしていただき、たいへんご満悦でした。Twitterで見かけて気になっていた、桃とクリームチーズと蜂蜜とレモン汁を和えたおやつも気に入ったようです。

ももはすてきな食べもの。


2021/8/10(火)

職場でコロナウイルス陽性者が出ました。
夕方に届いたメールには年代と性別、現在は自宅療養中とのみ書かれていました。そう人数の多い職場ではないのでわたしも顔くらいは見知っている人なのかもしれませんが、実際のところはわかりません。
濃厚接触者は確認されていません、感染者の席周囲などは消毒を実施しました。従来同様に感染拡大防止に努めてくださいという言葉でメールは終わっていて、まるで切り捨てられたようだとぼんやり思います。

最近は夜、散歩しています。およそ30分前後、ノンストップでひたすら歩く。もともとは旅行から帰った後、腰の調子がいまいちだったのを治そうとしたのが切欠だったのですが、このまま続けてもいいなという気がしています。
人の少なくなった商店街や大通りの建物は看板や壁の色の色彩が見えにくくなったせいか昼間より大きく見えて、長い夏休みがあった子どもの頃見ていた景色もこんなだったような気がします。

2021/8/12(木)

自治体の広報誌は前回に引き続き、第一面はワクチンの接種情報でした。今回からアストラゼネカ社のワクチンも併せて利用されることになったようです。

春からおじゃましている合唱団は週末に発表会があるのですが、メンバーの一人から、最近の感染拡大を踏まえ参加を見送りたいという連絡が来ていました。先週末の練習では別のメンバーのご家族がコロナウイルスに感染したため、練習会も発表会も欠席するという連絡が来ていたところです。
コロナは、個人だけの問題ではありません。
とは、参加見送りを受けての合唱団の団長さんの言葉です。良い団長さんだなとしみじみ思いましたがそれにしたって辛いし、動揺するものがあります。私の出る発表会は一日だけですが、いわゆる「プロ」はこういう積み重ねを何度も繰り返し、無事公演できましたありがとうと舞台の上で挨拶し、時には公演中止の知らせを出しているのかと考えると、改めてとんでもないなと思います。
日々、会食や外食は可能な限り避け、合唱の練習中もマスクと換気はもちろん、練習後はまっすぐ帰る日々を送っています。
それでももし自分が感染したら、誰に言われるまでもなく真っ先に、数少ない外食や合唱の練習、大きな駅を利用したこと、手を消毒しなかった瞬間などを「瑕疵」として思い出すのだろうか……そんなことを、よく考えます。

きれいになった わたしをつれて
会いに行きたい人がいる
はるかな水の流れをたどり
いつかあなたに 笑いかける  

今 わたしは小さな魚だけれど
あなたへと 泳いでいく
今 わたしは小さな魚だけれど
あなたへと 泳いでいく 

   (谷山浩子「小さな魚」より)

ミュージカル『アリージャンス』の配信を見ました。WW2中の日系人強制収容と忠誠登録質問票についての劇です。キャストコメントなどボリュームのある配信なのでまだ全部は見れていないのですが、"Higher/Resist"と歌が交差する中で、これは突然襲ってきた「嵐」へのそれぞれの「抗い方」を描いた劇なのだなと改めて感じています。

東京都のモニタリング会議は都の感染拡大について制御不能な状況と報告、会議に出席した専門家は災害時同様、自分で自分の身を守る行動が必要と述べました。政府の分科会の提言として尾身会長は今後二週間の人流5割削減を提言しました。中継を見ましたが、人流は下がりだしているからもう少し、と繰り返す姿が印象的でした。


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