2021/2/20 - 3/5 彗星 / ひな祭り

404 not foundから、ほさきさんへ

2021/2/20(土)- 21(日)

古くからの友人に会いに行きました。
といっても、せっかく会いにいったというのに、わたしはここ数年、外出するとどうにも長いこと起きていられず、日曜日など一度起きて、友人の夫さんが作ってくれたホットサンドを平らげた後、ほとんどひなたで寝ていました。友人宅の猫さんの居場所を奪ってしまった。

友人はそんなときもそっとしておいてくれるのでありがたい限りです。よく寝るねえ! と笑われはしましたが。他に何をしたかといえば、たいしたことはしておらず、ゲーム実況を流しながら最近はまっているオタクコンテンツの話をぼちぼちしたくらいです。

あとはめずらしい肉を食べよう、という友人の提案で、ワニの肉を食べました。ソテーにしてもらったのですが、臭みもなくものすごくたんぱくな鶏肉というかんじでした。10年くらい前に台湾料理のお店で食べたカエルの肉を思い出しました。それにしてもワニって養殖もあるんですね。一体どういうルート?手順?でワニ肉が市場に出てくるのか気になって調べてしまいました。

先週の地震、怖かったですよね。もう寝床に入っていましたが、長い地響きを背中に感じて、地震がくるな、と思ったら随分大きくて、飛び起きてしまいました。10年前を確かに思い出した。ランタンを充電したり、お風呂に水をためたりはしてみましたが、落ち着けるためにしているだけで、なんにもわかってない、わかってない、とどこかから言われているようでした。

2021/2/22(月)

図書館で借りてきた石井桃子さんの『みがけば光る』という随筆集を読んでいます。
1950年~1960年頃の随筆を収録したものなので、いまの時代にそぐわない表現もちらほらと出てきますが、それでもその時代にあった空気や、女性が生きていくのがいかに大変だったかを垣間見ることができ(そしてさして今も変わっていないようにも思ったりもし)、文体ののびやかさも手伝ってなんだか慰められる気持ちになります。

 だれもいない、しんかんとした、木かげの停留場で、その老人とふたりで、星をいただいて、バスを待っていた時、私はふしぎな気もちになりました。日本をたつ時の、不安な気もちは、ひとっかけも、私の心のなかにないのです。私は、地球上で日本とは背なかあわせの大陸の、人かげもない林の中の道に立っていながら、さびしくもなんともないのです。私は、その時、ごく自然な気もちで、自分の感じをMさんに話しました。
「石井さん、だれでも、いま、その人の立っているところが、世界の中心なんですよ」

先週から頭の具合が悪いのですが、回復の兆しがありません。薬を飲んだところでいっときの憂鬱を散らせるだけで、根本的な解決になるわけでもないので、脳みそからいろんなものを追い出すために詩を書いていました。手を動かしていると少しだけ気持ちが落ち着くように思います。

2021/2/23(火)

文房具を買いに出かけました。友人が誕生日プレゼントにすてきなガラスペンをくれたのをきっかけにインクをつまらせていたボールペンを直そうと思ったのです。見ているうちについついほしくなって、彗星と名付けられたインクを買ってしまいました。いわゆるブルーブラックといわれるような色です。わたしはいま、彗星の色で文字を書いている! と思うと謎の興奮があります。

移動している最中、あちこちで警察官や護送車を見かけました。家に帰ってから、右翼団体の街宣車とそれを追いかける公安の車も見かけたと聞き、天皇誕生日だったからかと合点がいきました。

うさぎを連れて行きましたが、緊急事態宣言が出ているからか、おしゃれなカフェはどこもお休みで、映えポイントを見つけられず残念でした。おしゃれなカフェでのお茶は次回に持ち越しです。yenさん宅のあかふくちゃんはお花にもかこまれてるし、素敵なところにつれていってもらっているのに、としばし泣かれました。あかふくちゃんたちは、お仕事についていっているのだよ、ときには大変なこともあるかもしれないよ、それにお花も、きちんとお世話をしているからお花が咲くんだよ、と言ったけれども伝わったかどうか。

2021/2/24(水)

誕生日でした。
もうこの歳になると「おめでたい」というかんじもないのですが、年齢の数字に自分でびっくりしてしまいました。いよいよ次のステージが見えてきた感じがあります。ここから数年で、せめていま通っている大学の卒業論文着手まではこぎつけたいところです。

学歴に対するコンプレックスが長くあり、実際に職場などで学歴に関連して嫌な思いをすることもあったので、大学にはずっと行ってみたかったのです。通信制の大学に入学してちょうど2年半。勉強の仕方や、特有の言葉の使い方にも慣れてきて(単純に見慣れてきて?)、今期はやっと少し勉強のコツをつかめたような気がします。Aを理解するために必要な基礎知識のような、前段階の知識を獲得する必要性を知って、勉強とは本当に積み上げていくものなのだなあとしみじみ感じ入っています。得意、不得意もあるとは思いますが、ある程度までは、根気強くやれば少しはわかるようになる部分もあるのかもしれない、というのがいまの希望です。

話題はズレますが、ガラスペンをもらった話をしていたこともあり、これまた別の友人に「夜焚」という名前のインクをもらいました。夜に燃えている炎の色です。書いた瞬間は赤く、乾くと落ち着いた茶色に変化します。すごくすてきな色で気に入りました。

最近は、手書きで書いた詩を、パソコンで打ち直していじったあと、もう一度書き写すことをしています。書き写している段階でまた変容していきますし、最後印刷してからの直しでも少し変わることが多いです。そうやってじわじわいじりながら言葉の無駄を削っていくのがとてもおもしろいです。

2021/2/26(金)

新入りのうさぎがきました。同居人が誕生日プレゼントに買ってくれたのです。名前をまだ決めてないので、おにゅーちゃんとひとまずは呼んでいます。今度会うときに連れてゆきます。

明日は詩の講座です。ここ数日、その詩をなおすことで頭がいっぱいで、今日は夢のなかでもその作業をしていました。講座に持っていけば読んでもらえるので、どんな風に受け止められるのか、いまからどきどきです。(こういうのが講座の良い点でもありますね)


ほさきから、404notfoundへ

2021/2/27(土)

晴れているのでうさぎを連れて出かけました。
沈丁花の香りがしたのでどこだろう、ときょろきょろしていたら幼稚園のわき道に茂みが見えて、あああそこか、と気づいた瞬間、去年も同じようなことをしたと思い出しました。
年明け最初の満月の日、元宵節は湯圓を食べる習慣があるということで金木犀のスープに浮かべた湯圓を食べました。お店から少し歩いたところに大きな公園があってそちらにも足を延ばしたのですが、シャッターの下りたお店がいくつかあって、どきりとしました。駅近くのデパートはワンフロアがワーキングスペースになったと案内が出ていて、時流に合わせてめざとく動いているといえばそうなのかもしれないけれど、実際どうなのだろうと思います。デパートに入っていたお店が撤退してそのまま、中途半端なイベントスペースのようになっているのはここ数年よく見るパターンです。

そういえば蛙、わたしも昔台湾の夜市で串焼きを食べたことがあります。ワニは食べるところが多そうでおいしそうです。

通りがかった花屋さんの店頭にディズニーランド・パリという名のオレンジ色のチューリップがあって、しばらくぼんやり眺めてしまいました。ディズニーランドもパリも、なんて遠い。

2021/2/28(日)

共有結晶の編集メンバーでオンラインおしゃべり会でした。
なんかもの凄く久しぶりな気がするぞ……? と思って確認したら去年の9月以来でした。去年の9月はオフラインで会っていたのですが。

2021/3/2(火)

数日前からオンラインの翻訳サークルに参加しています。月に一度、日本人の(短めの)詩を英訳したものがお題として出されて、それを各自が日本語に訳すのです。私も参加したのですが、先日、元の日本語作品はこれです、というのが示されました。
個人的には大変初歩的な間違いを二つほどしていた……のが他の方の訳を見て既に判明していて落ち込んでいたのですが、元の作品を見ると全然違うなあと改めて思いました。翻訳という行為にはいつもこぼれ落ちるなにかがあって、それは普段、英語を日本語に訳すときにも感じることではあるのですが、これが「正解」です、と元の作品を目の前に示されると、そのあまりの多さに改めてびっくりします。
この遊びは原作者に「負ける」ことを楽しむものです、とは主催者さんの言です。確かに「正解」を出して「勝つ」ゲームではないでしょう。そしてわたしはこの「負ける」感覚が嫌いではないから、こういうことをずっと一人でやってきたのだろうとも思います。

そんなことを考えている一方でタイムラインではVR翻訳会話プラットフォームが話題になったりしています。母国語が魅力的な武器になるというこちらの指摘は面白いなあと思いつつ、AIに自動翻訳されやすい言葉とはすなわち英語に近い何かであるような気もします。

2021/3/3~4(水、木)

ひな祭りですねえ、とうさぎが言うので桜餅を買いました。道明寺が好きです。

ひな祭りカラーの着物を着ました。

先日最終巻の出た「大奥」をアプリで少しずつ読み返しています。徳川家斉のエピソードを読み終え、家定の時代に入ろうとしているのですが、滝山の生い立ちにそうだったそうだった、そして最終巻でこの人は……! と一人でわーわーしていました。家定以降の展開を追えていなかったので復習を兼ねてのアプリなのですが、読んでいるとどんどん遡ってみたくもなります。

疫病とその対抗手段としての種痘、それらに対する人々の反応が描かれるこの漫画の現代性は多くの人が指摘していますが、とはいえ死亡率の高さゆえか、疫病は恐ろしいもので防ぐべきという前提は共有されているのだよな、とも思います。
家族間の暴力、性暴力の話が繰り返し、山ほど出てくる話でありながら、性暴力被害者を鞭打つような表現は決してないこともあって読んでいてストレスがない……と思うのは、作者が「初めて男女の恋愛を描けた」というのと恐らく同根の話なのでしょう。今読んでいる、家定のエピソードにおける周囲の人物の(現実世界ではちょっとありえない、とわたしなんかは思ってしまうような)理性的な優しさに、読み返していてちょっとびっくりしたのですが、思えば事の発端といえる家光のエピソードからして、大奥は家制度の暴力と性暴力から始まる物語なのでした。

関東圏の緊急事態宣言は2週間延長されるようです。その少し前には東京都の病床利用率が定義変更で急遽下がった(それまで都が都独自の定義で数字を出していたことによる)ことも明らかになりました。
個人的には病床使用率、正確には医療従事者の負担がどうなっているのかがこの手の話で一番気になるところですが、仮に状況が改善されているとして、検査対象に濃厚接触者をまた含めるように戻す、検査を増やすといった話が聞こえないのはどうなのだろうと思います。一方で今回の延長は首相が「先手を打った」などといった報道を見ていると、科学でなく政治なのだなと改めて思います。何がどうしたら安全なのかという話が本当に出てこない。
私の職場の対応は相変わらず、部署ごとにばらばらのようです。年度末だからもう関係ない、普通に出勤するしかないと先週時点で上司が明言した部署もあると聞きました。

気候が不安定なのに体もつられている気がします。
今月25日が聖火リレー開始予定日だとニュースで見て、びっくりしました。


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